嶺木昌行氏(丸美産業株式会社 元社長)

嶺木昌行氏

嶺木昌行氏

北見昌朗は、丸美産業株式会社 元社長 嶺木昌行氏と親しい。お会いすると、いつも歴史談義ばかりになり、嶺木さんの知識の深さにいつも敬服の至りである。

その嶺木さんは経営者として大きな実績があり、丸美産業株式会社さんは素晴らしく発展された。その嶺木さんから褒められると、正直嬉しい。

大作に感銘

丸美産業株式会社 元社長
嶺木昌行

北見昌朗氏とは、個人的に親しくさせていただいている。その北見氏が長年かかって大作を執筆されたと聞いて、楽しみに読ませていただいた。凄い大作で感心しきりだが、特に気にいった点が三つある。

一つ目は、母ゑいが語り部になっていて、どんな出来事があったのか話してくれて、その後で詳しい記述があるので読みやすい。母ゑいの気持ちもじーんと伝わってくる。

二つ目は、著者がよくここまで調べたなと感心するほど名古屋の歴史に精通していることだ。古い町名で書かれているが、実は錦三丁目のような身近な場所であり、よく通っていた料亭まで紹介され、その料理まで載っているので、思わず歩いてみたくなる。湖西弁を話す佐吉や、名古屋弁の服部兼三郎、半田弁の石川藤八のやりとりも、方言なので人間がありありと目に浮かぶ。

三つ目は、日清日露戦争をバックに、その中に佐吉の生涯を上手に組み込んであること。歴史が縦軸で、佐吉が横軸になっていて、江戸末期から昭和初期にかけての世の移り変わりがわかる。