苅谷公平氏(苅谷公認会計士・税理士事務所代表)

公認会計士の苅谷公平先生が推薦文を下さった。先生は、北見昌朗に会うなり握手を求めて下さり、感極まった表情で感想を話してくださった。
先生、有り難うございます。

逢うべくして出逢えた一冊

苅谷公平苅谷公認会計士・税理士事務所 代表
苅谷公平

北見先生

先日は大変貴重な機会を頂き誠にありがとうございました。

この素晴らしい本との出会いに感謝しながら、感想をお送りさせて頂くことが遅くなり大変申し訳ございませんでした。

本日、四十九日の法要を迎え、改めて「小説やらまいか」を読了した時の感想を思い起こすことができました。

致知出版の藤尾社長のお話でも紹介されておりました「森信三先生」の至言に「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」がございます。

私にとって「小説やらまいか」は「一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時」に逢うべくして出逢えた一冊であります。

代々絹織物業を営んでおります実家で、四六時中、敷地内の工場から「ガッチャガッチャ」織機が奏でる音で育った私です。

そこには常に祖父母、両親が織機に張り付いており、私自身も母のお腹にいた時から聞いていた織機音でした。

その母が急逝したのが1月8日。齢80歳での往生でした。

あまりに突然の別れであり、でもいつか迎えなければならない順番であると自分自身に言い聞かせながらも、現実として受け止める心の整理がつかない中で、買ったまま積読状態(北見先生、すみません)であった「小説やらまいか」を読み始めました。

豊田佐吉翁の偉伝としても大変心躍らさせる本です。

ただ、私にとって母の目線から息子の現実や変遷を愛情以て表現されている一文一文が、自身の母が私に対して常に向けられていた眼差しと重ね合わさり、私自身が“母が誇りに思える息子”であり続けたい動機を持ち続けて今の自分があること、母を喜ばせたい、母の想いに応えたい、母を悲しませたくない等々様々な思いが心を巡ります。

ただ、母亡き後でありますが、天から見ている母に “誇ってもらえる息子”であり続けたいと思わせてくれた、ある意味自分自身への戒め律を示された一冊でした。

有難うございました。